road33

オンライン資格確認導入記 (No.33) 2024.3.15 更新

訪問診療のオンライン資格確認, 診療情報, 薬剤情報, 特定健診情報閲覧

患者さん宅に訪問して患者さんの保険証を写し取って帰り, 自院に帰ってからオンライン資格確認をする分には, いままで通りにすればまったく問題ないと思われますが, その場合は薬剤情報,特定健診情報など得られません。訪問先で患者さんのマイナンバーカードでの資格確認をすれば, それが得られます。手間ではありますが, 2024.9月から保険証が予定通り廃止されるとならば, この手間もやむを得ないことになります。

順序としては

1.在宅Web ソフト (URL) を入手する
特別なソフトが必要という話は聞いていましたが, そのソフトの入手方法がすぐに分からず, 大分時間がかかりました。最近の「オンライン資格確認等操作マニュアル管理者編 v3.03｣に記載がありました。
管理者アカウントでEdge画面にLoginして

「医療機関別 URL 取得・変更」をクリックすると,

上記の画面がでて, URL,QRコードが表示されます。QRコードは問題なくDownloadできましたが, URLはうまくコピーできませんでした。このQRコードをプリントして往診鞄に入れておくといいと思います。

QRコードを読み取って在宅ソフト画面に行き着きました。ところが自院のWiFi接続状態で, やっていると, 途中で, 「通信エラーが発生しました。エラーコードOQC-OWSE0900000」がでて先に進めません。何度やっても同じなので, WiFi接続を切って, 外部の電波を利用するモードにしたら, うまくゆきました。実際には, 訪問先でWiFiを使うことはないので,問題ないのですが, このあたり, ONSのセキュリティ発想が絡んでいるものと思います。
これで一度スマホを終了して, 患者さん宅を訪問します。
2. 訪問先での作業 (以下 iPhoneの画面)
スマホで Web ブラウザーを起動して, 先ほどの URLを開きます。
あるいは再度 QRコードを読み取ります。
画面に自分の医療機関名が出てきます。
手術情報, 薬剤情報, 特定健診情報などの閲覧を許可するかどうか患者さんに聞きます。
閲覧同意項目を患者さんに確認してもらい, 患者さんのマイナンバーカードを用意してもらいます。
患者さんのマイナンバーカードの暗証番号を入力してもらいます。顔認証はできません。
つづいて, そのマイナンバーカードをスマホでScan します。例示される位置にスマホをもっていって, そのまま手を離すと,以外にすんなりと読み取りに成功します。
3. 自院での作業 (1) 保険情報

同意済み患者さんのマイナンバーカードの保険情報をゲットするには Edge画面にLoginして

「同意済資格情報取得」をクリックします。期間受付番号を指定します。この時点でスマホの操作は不要です。

あとは指示に従って保険情報をゲットします。「訪問診療等におけるオンライン資格確認の運用フロー」に詳しく解説されています。

以上の作業を連携アプリで行うには, 普段は使わない OQSmuhvq01req XML File名で期間を記載して同意済み患者保険情報を要求します。<MedicalTreatmentFlag>2 は訪問診療を意味します。(後述)

File名: OQSmuhvq01req_202308050001.xml

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="no"?>

</MessageHeader>

<ConsentDateFrom>20230805</ConsentDateFrom> (開始日付)

<ConsentDateTo>20230805</ConsentDateTo> (終了日付)

<MedicalTreatmentFlag>2</MedicalTreatmentFlag> (訪問診療)

</QualificationConfirmSearchInfo>

</MessageBody>

</XmlMsg>

これに対してresが返ってきます。これには受付番号 (ReceptionNumber)が記載されています

OQSmuhvq01res_202308050001.xml

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="no"?><XmlMsg><MessageHeader><ProcessExecutionTime>20230805093000</ProcessExecutionTime><CharacterCodeIdentifier>0</CharacterCodeIdentifier><MedicalInstitutionCode>1510110016</MedicalInstitutionCode></MessageHeader><MessageBody><ReceptionNumber>20230802182048806_2680</ReceptionNumber><ReceptionDateTime>20230805093000</ReceptionDateTime></MessageBody></XmlMsg>

さらに受付番号 (ReceptionNumber)を付記して再度照会します。

File名: OQSmuhvq02req_202308050001.xml

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="no"?>

</MessageHeader>

</MessageBody>

</XmlMsg>

resはzip Fileで返ってきます。

OQSmuhvq02res_202308050001.zip

これを解凍すると xml Fileが現れ, 同意済み患者の保険情報が一括で回答されます。

OQSmuhvq02res_00000.xml

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?><XmlMsg><MessageHeader><ProcessExecutionTime>20230803111728</ProcessExecutionTime><MedicalInstitutionCode>1510110016</MedicalInstitutionCode><ReceptionNumber>20230803111722421_9325</ReceptionNumber>

<ResultOfQualificationConfirmation><InsuredCardClassification>01</InsuredCardClassification><InsurerNumber>39470000</InsurerNumber><InsuredIdentificationNumber>1000007</InsuredIdentificationNumber><InsuredName>四角　七夫</InsuredName><Name>四角　七夫</Name><NameKana>ｼｶｸﾅﾅｵ</NameKana><Sex1>1</Sex1><Birthdate>19401011</Birthdate><Address>宮崎県豊中市桜ケ丘町999</Address><PostNumber>880-0095</PostNumber><QualificationDate>20151001</

------ 省略 -------- 1人目

InsurerName><LimitApplicationCertificateRelatedConsFlg>0</LimitApplicationCertificateRelatedConsFlg><SpecificDiseasesCertificateRelatedConsFlg>0</OperationInfoAvailableTime><OnsRegistrationTime>20200630163619</OnsRegistrationTime></ResultOfQualificationConfirmation></ResultList></BulkConfirmUnit>

------ 省略 -------- 2人目

OperationInfoAvailableTime><OnsRegistrationTime>20200630163619</OnsRegistrationTime></ResultOfQualificationConfirmation>

</ResultOfQualificationConfirmation></ResultList></BulkConfirmUnit>

</MessageBody></XmlMsg>

実際は患者さんは保険証も持っているので, それも書き取って(あるいはコピーして)帰ります。その保険証情報で通常の保険証によるオンライン資格確認を行うと診療情報，手術情報，薬剤情報，特定健診情報，の閲覧同意に関するフラグが含まれたresが得られます。要するに外来でマイナンバーカードによる顔認証を行った場合と同様な情報が返ってきます。(OQSmuhvq02resで得られる内容とは若干構成が違いますが, 同意の有無が分かれば十分と思います。)

<DiagnosisInfoConsFlg>　（診療情報閲覧同意フラグ）

<OperationInfoConsFlg>　（手術情報の閲覧同意フラグ）

<PharmacistsInfoConsFlg>　（薬剤情報閲覧同意フラグ）

<SpecificHealthCheckupsInfoConsFlg>　（特定健診情報閲覧同意フラグ）

<SpecificDiseasesCertificateRelatedConsFlg>　（特定疾病療養受療証フラグ）

追記

OQSmuhvq01req_00000.xml,] OQSmuhvq02req_00000.xml は改行コードを CRLF(Windows)にしないと受け付けてもらえないことがわかりました。これにも時間が取られました, 通常の資格確認では CRでもOKなのですが, ここはCRLFなのです, 電子処方箋はLFですし, 統一してもらわないと困るというほどのことではないですが, 何か理由があるのでしょうか。これは Windows Server ? 他は Unix ?

3. 自院での作業 (2) 診療情報,薬剤情報特定健診情報

得られた同意に基づいて診療情報，手術情報，薬剤情報，特定健診情報，を閲覧するには

前もって　管理者としてEdge画面にLoginして「環境設定情報更新画面」で手術情報，薬剤情報，診療情報，特定健診情報，特定疾病状療養受療証　を「利用する」にしておきます。

連携アプリで診療情報，手術情報，薬剤情報，特定健診情報を閲覧するには, 通常の受診者の場合と基本的に同じ YKZ, TKKのXML形式を用います。 (オンライン資格確認導入記No.28)

診療情報，手術情報，薬剤情報は YZK，特定健診情報は TKK，のXMLです。

診療情報，手術情報，薬剤情報に関して，患者側の同意と，閲覧者（医療者）側の希望にいくつかの組み合わせが生じることになりますが， <FileCategory> を 3(PDF), あるいは 4(XML) にしておけば，患者側で同意された項目は　すべて閲覧できることになります。

FileCategory 要求ファイル種別 (業務コード: YZKCD001)

(この「要求ファイル種別」は訪問診療に限らず, 通常のマイナンバーカードでの認証時にも適応できます)

特定健診情報の閲覧の場合はこれまで通り <FileCategory> 1 です。

訪問診療ではさらに　診療の種類 <MedicalTreatmentFlag>に 2 と追加記載する必要があります。これを記載しなかったので, 失敗が続きました。

MedicalTreatmentFlag...診療の種類「1:外来」　「2:訪問診療等」「3:オンライン診療等」

※詳細は、別紙5-2_業務コード仕様（薬剤情報等・特定健診情報） [YZKCD010]を参照

未設定の場合は「1:外来」として扱う。

薬剤情報要求XML

File名

YZKsiquc01req_2023053019286.xml

内容xml

<?xml version='1.0' encoding='UTF-8' standalone='no'?>

<MedicalInstitutionCode>4110213424</MedicalInstitutionCode> (医療機関コード) <InsurerNumber>01410010</InsurerNumber> (保険者番号)

<InsuredCardSymbol>7710207</InsuredCardSymbol> (記号)

<InsuredPersonIdentificationNumber>564</InsuredPersonIdentificationNumber> (被保険者番号)

<BranchNumber>00</BranchNumber> (枝番)

<ArbitraryFileIdentifier >clinic_19286</ArbitraryFileIdentifier > (任意記載)

</MessageHeader>

<StartDate>202302</StartDate> (期間開始年月)

<EndDate>202305</EndDate> (期間終止年月)

<FileCategory> 3 </FileCategory> (要求ファイル種別)

<MedicalTreatmentFlag> 2 </MedicalTreatmentFlag> (診療の種類)

</MessageBody>

</XmlMsg>

特定健診情報要求XML

File名

TKKsiquc01req_2023053019286.xml

内容xml

<?xml version='1.0' encoding='UTF-8' standalone='no'?>

ーーーーーーーー　薬剤情報と同じーーーーーーーー

</MessageHeader>

<FileCategory>1</FileCategory>　...特定健診は 1:PDF

<MedicalTreatmentFlag> 2 </MedicalTreatmentFlag> (診療の種類)

</MessageBody>

</XmlMsg>

なお, 訪問診療のTESTは本番環境で実施できます。私も自分のマイナンバーカードでやってみました。上記の方法で薬剤情報, 特定健診情報ともゲットできました。

(工事中)