電子処方箋 導入記 (No.19)
実際にやってみると(その7) 確定処方箋を発行開始して5ヶ月
電子処方箋を開始して, 2023.11.6 で 5ヶ月になります。5000件強の電子処方箋対応の紙処方箋を発行しました。署名付き確定電子処方箋発行は2件のみです。それも電子処方箋のシステムを導入した薬局の薬剤師が確認がてら,希望されたものです。電子処方箋発行前に重複薬剤情報をCheckしますが、(当医療機関除外の設定にしています。) これまで他院で処方された薬剤が 当院の重複チェックにひかかったのは1件しかありませんでした。それは 確かに重複情報でした。ただ あまりにも情報が少なすぎます。重複checkが機能していない気がします。
調剤薬局で(手帳から判断して)重複薬剤に関する問い合わせは よくあります。こちらのほうがより実際的に機能しています。
この重複Checkの薬剤情報は、どういう医療機関で処方されたときに、入力されるのでしょう? 電子処方箋運用医療機関のみ?でしょうか?
一方 , マイナンバーカードで受診されたときに得られる薬剤情報閲覧(YZKsiquc01..)ではかなりの頻度で処方薬剤の情報が得られます。これは重複薬剤情報Checkとは異なる方法?で、あるいは特定の?医療機関で入力されるのでしょうか? 電子処方箋運用医療機関でないところの情報も見ることができました。 ただしマイナンバーカードを利用される人が少ないので、これも限定的なメリットです。
以上の疑問をONSに問い合わせてみましたら
医療機関等ONSサービスデスクの回答
(1) 重複投薬等チェックの対象データは、電子処方箋管理サービスに登録された処方・調剤情報となっている。 (補足: 発行された電子処方箋の蓄積データだけの情報になる)
なお、電子処方箋管理サービスを利用している病院・診療所・薬局が、電子処方箋管理サービスに登録した情報(発行された処方箋における処方情報及び発行された処方箋に基づき薬局が調剤した薬剤の情報)から、病院・診療所・薬局及び患者からの参照等を目的として抽出された医薬品データで 薬剤情報(YZKsiquc01..)とは異なり、医師等、薬剤師が電子処方箋管理サービスに情報を登録した都度データとして反映される。
なお、 処方・調剤情報の保存期間(100日間)が過ぎたデータについては自動的に削除されるため対象外となる。
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(2) 薬剤情報閲覧(YZKsiquc01..)で閲覧できる情報は、「薬剤情報」及び「処方・調剤情報」となっている。
薬剤情報(YZKsiquc01..)とは
病院・診療所や薬局から審査支払機関に提出された令和 3 年 9 月分以降のレセプトから抽出した、診療(調剤)の医薬品データ。毎月 5~10 日までに受け付けた医薬品データは一括して 11 日の朝までに登録される。11~12 日に受け付けたレセプトはそれぞれ翌朝までに登録される。閲覧・保存期間は 3 年間。
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重複チェックには 毎回実行時0秒(瞬時)〜 7秒ほどかかります。
さらに 投函時, 以下のようなError Messageがでて 再操作を余儀なくされるときがあります。(これはちょうど, 郵便箱に投げ入れた郵便物が入り口に挟まって動かないような状況と想像されます。)
返ってきたXMLに重複情報があるかどうか, その内容を確認する手間もかかります。
5000件に1件しか得られない情報なら, 無意味な情報としか言えないでしょう。レセプト情報をこれに利用すればいいのに...と思ってしまいます。