電子処方箋   導入記 (No.5)


処方箋CSVの作成 (1)


CSVが出来上がれば確定処方箋XMLを作成できるメドがつきました。

しかし,このCSVは ややめんどうです。

CSVは 左に規定の項目を配して, 文字列を記載して行きます。

この記載に関して, ベンダーONSから提供された最新資料は

電子処方箋管理サービス_記録条件仕様(処方編)ver1.4.pdf」です。

そこに記載すべき項目と省略できる場合の条件が記載してあります。

処方情報の部分では用法コードとして「用法マスタ.xlsx」を参照します。

当然, 薬剤コードには「レセプト電算処理システム用コード」を参照します。

確定前処方箋CSVには省略できる項目が多くあり, 簡略化できますが, CSVは電子カルテ側で自動作成するので, 手間は問題ありません。省略しないCSVを作成させ, 確定前,確定とも同じXMLで送信すれば混乱しなくていいのではないか,と思っています。

処方CSVは 前後2つのパートに分けることができます。

前半は 医療機関, 医師,患者情報 これはルールどおり記載すれば問題ないでしょう。

後半部は後述↓

SJ1 決まり事

1 医療機関コード 等

2 住所 等

3 電話

4 診療科 (複数のときは?)

5 医師名(半角カナの氏名の間は半角空白, 漢字氏名の間は全角空白)

11 院内患者番号 氏名(半角カナの氏名間は半角空白, 漢字氏名間は全角空白)

12 男1女2

13 西暦の生年月日(西暦YYYYMMDD)

14 負担割合(後期高一般1,後期高7割2,未就学3, 後期高8割5)

21 保険種別 (国保1・社保2・後期高齢者7)

22 保険者番号

23 被保険者 記号・番号・(被保険者1, 被扶養者2)・枝番

24 負担割合 (患者窓口負担, 保険者負担)

27 第1公費(第2以下省略)

31レセプト種別

51 処方箋発行日

52 処方箋有効期限 (発行日を含めて4日以内)

60 麻薬施用レコード

81...備考レコード(一包化1 粉砕2)

82 引換番号 (サーバーに要求して取得する)

                                                          

SJ1

1,1,212424,31,なんでも医院

2,983-0851,なんでも市朝見町1924-3

3,0959-24-1296,,

4,2,19,皮膚科

5,,ラノ ヨシミ,手野 喜美

11,27457,白雅 正樹,シラマサ マサキ

12,1

13,196450930

(14, )

21,2

22,01710010

23,7410216,29, 1, 01

24,030,070

(27,,)

31,1112

51,20220916

52,20220919

(60 )

(81 )

82,1,1234000000000067


2022.10.16 更新

CSV前半部 (例)                                                     説明

101に剤形、日数を記載、一包化したら、それをグループとしてまとめる

101, (グループ1,内服薬1,剤形不明の時記載,20日) 

101, (グループ2,外用剤3,,分量は201で記載するのでここは1)

101, (グループ3,頓服薬2,剤形不明の時記載,10回分)


111に用法、グループごとに記載

111, (グループ1,3(固定),用法コード,1日2回朝夕食直後服用,服用回数:省略可) 

111, (グループ2,3(固定),用法コード,1日2回塗布,内服でないので省略) 

111, (グループ3,3(固定),用法コード,疼痛時服用,頓用なので省略)


181に用法補足レコードをグループごとに記載 なければ省略

181,(グループ1,記載順1,一包化2,その記載,グループ全体の補足事項:省略)

181,(グループ2,記載順1,一包化2,その記載,グループ全体の補足事項:省略)

181,(グループ2,記載順2,部位6,その記載,グループ全体の補足事項:省略)


201に個別の薬剤情報

201, グループ1,グループ内の薬剤1,医薬品1,レセ電コード1,薬品コード(不明の場合:後発品は666660000),薬剤名(一般名),1日使用量,力価1,単位

201,グループ1,グループ内の薬剤2,医薬品1,レセ電コード1,薬品コード(612320381),薬剤名,1日使用量,力価1,単位

201,グループ2,グループ内の薬剤1,医薬品1,レセ電コード1,薬品コード(662640423),薬剤名,外用:投与総量,力価1,単位

201,グループ2,グループ内の薬剤2,医薬品1,レセ電コード1,薬品コード(667120036),薬剤名,外用:投与総量,力価1,単位

201,グループ3,グループ内の薬剤1,医薬品1,レセ電コード1,薬品コード(不明の場合:後発品は666660000),薬薬剤名(一般名),1回使用量,力価1,単位


241に1回使用量, 1日服用回数(省略可?)

241,グループ1,グループ内の薬剤1,1回服用量,1日服用回数

241,グループ1,グループ内の薬剤2,1回服用量,1日服用回数

(グループ2,外用なので省略)

241,グループ3,グループ内の薬剤1,1回服用量,(頓用なので省略)


211,単位変換

221,不均等処方

231 薬剤の負担者指定

241,1回服用量(111に記載した内容と重複する?)

281,薬品補足情報レコード

301,提供診療情報




101,1,1,,20

101,2,3,,1

101,3,2,,10



111,1,3,1012030300000000, 1日2回朝夕食直後 服用,

111,2,3,2B72000000000000, 1日2回 塗布,

111,3,3,1050110000000000, 疼痛時 服用,



181,1,1,2,一包化,,

181,2,1,2,一包化,,    →  181,2,1,(省略),混合外用,, (後述)

181,2,2,6,躯幹,,



201,1,1,1,2,666660000,【般】バラシクロビル塩酸塩錠[500],2,1,錠

→  201,1,1,1,7,6250019F1ZZZ (後述)

201,1,2,1,2,612320381,アプレース錠100mg,2,1,錠

201,2,1,1,2,662640423,リンデロン-V軟膏0.12%,20,1,g


201,2,2,1,2,667120036,プロペト,20,1,g


201,3,1,1,2,666660000,【般】ロキソプロフェンNa水和物錠[60],1,1,錠

→  201,3,1,1,7,1149019F1ZZZ (後述)


241,1,1,1,2

241,1,2,1,2


241,3,1,1,,










CSV後半部 (例)                                                     説明

修正(2022.10.11)

[電子処方箋管理サービスの導入に関するシステムベンダ向け技術解説書V1.4]には

......引換番号の取得

電子処方箋管理サービスに電子処方箋ファイルを登録した後、引換番号及び処方箋ID が発行され、

処方箋登録結果に含まれる形で資格確認端末の所定のフォルダに送信されます。......

引換番号を前もって確定電子処方箋に書き込むことはできません。この82は確定電子処方箋において省略可能となっています。省略というより書けないです。


処方の記載方法は 我々が現在行っている羅列型の記載と違って, 独特なルールです。

これはもちろん上記の「記録条件仕様」にルールが記載されています。

複数の薬剤をまとめる一包化の記載がめんどうそうです。


以下の処方例をCSVにしてみると


【般】バラシクロビル塩酸塩錠[500]/2錠/ (後発品)

  アプレ−ス錠[100]/2錠/20日/朝夕内服/

(以上 一包化)


  リンデロン-V軟膏[0.12%]/20g/

  プロペト/20g/1日2回塗布/躯幹/

(以上 一包化:混合外用)


【般】ロキソプロフェンNa水和物錠[60] /1錠/10回/疼痛時頓用/ (後発品)

(頓服)



111, 最後の項目は服用回数ですが, 1:省略, 2:不明の数字を記載するようですが, 実際の服用回数が2回で2と入力すると, 紛らわしい。
201, 後発品の場合, 一般名で処方する場合は, 不明薬剤コード(666660000)を使用するものと考えます。その場合, 薬剤名は任意でいいということです。  (後述)
241, 1日使用量, 回数は 201で記載してあるので省略可能ではないか,と考えます。

いまのところ, こうであろうと思われる記載の例を提示して見ますが, 上記の処方CSVが正しいのかどうか確かめるすべがありません。いくつかの処方例サンプルを示してくれと, ベンダーONSに要求していますが, いまだに回答がありません。 
修正が必要になるかもしれません。分かり次第修正します。


2022.10.15 追記
最近 「内服の一包化, 外用の混合」について ベンダーONSに質問した 回答が返ってきました。
一包化:
181「用法補足レコード」の「用法補足区分」項目に「2 一包化」の記録を行った「RP剤情報グループ」内の「薬品情報グループ」として、一包化対象の内服薬を記録する。
または、同一 「薬品情報グループ」内の各一包化対象の内服薬に係る「281 薬品補足レコード」の「薬品補足区分」項目に「1 一包化」を記録する。
混合外用:
181「用法補足レコード」の「用法補足情報」項目に「混合」等の記録を行った「RP剤情報グループ」内の「薬品情報グループ」として、混合対象の外用薬を記録する。
または、同一「薬品情報グループ」内の各混合外用対象の外用薬に係る 281「薬品補足レコード」の「薬品補足情報」項目に「混合」等を記録する。 


181,1,1,2,一包化,,        →  これはOKのようです
181,2,1,2,一包化,,        →  181,2,1,(省略),混合外用,,
181,2,2,6,躯幹,,

(または)
281,1,1,1,1,一包化,               ...【般】バラシクロビル塩酸塩錠[500]
281,1,2,1,1,一包化,                ...アプレ−ス錠[100]
281, 2,1,1,(省略),混合,            ...リンデロン-V軟膏[0.12%])
281, 2,2,1,(省略),混合,            ...プロペト


                                                   
後発品の薬品コードについては 不明薬剤コード(666660000)ではなく, 一般名コードを用いる, ということです。(仕様書に書いてありました (-.-))

厚生労働省 一般名処方マスタ
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shohosen_220401.html

これによると, 以下のコードになります。
6250019F1ZZZ 【般】バラシクロビル錠500mg 
1149019F1ZZZ 【般】ロキソプロフェンNa錠60mg 
さらに 後発品の場合は 「薬品コード種別」は 7 になるので 201はそれぞれ


201,1,1,1,7,6250019F1ZZZ,【般】バラシクロビル錠500mg,2,1,錠

201,3,1,1,7,1149019F1ZZZ,【般】ロキソプロフェンNa錠60mg,1,1,錠


のようになります。

                
                                                                      https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shohosen_220401.htmlpath04.htmlpath06.htmlshapeimage_1_link_0