Filemakerでレセコンと電子カルテを作ろう

Filemakerでレセコンと電子カルテを自作しよう

 

N_DOCTOR  医師の診療録(カルテ)

① もっとも最近の受診記録からポータルで表示されています。1回分の受診データは左から診療行為指示, 処方, 病歴, メモ(図)より構成されます。この一覧画面の本当の日付は⑮に表示されます。診察券番号の自己relationで, 表示されています。実際のレコードはポータルの⑦が緑色で表示されます。このレコードを削除すると, この緑の日付のポータル行が消えることになります。

② このボタンを使ってすばやく, 指示, 処方に単語を入力します。”院内”ボタンは院内処方です。

③ 手書きのメモを入力します。 外部のソフトで描いた(300x200ドットを推奨)ものをコピペで貼り付けます。MacOSでは Pixelmeterで描いた図で問題無く表示されます。図が入力されると④が●になります。

⑤ここをクリックすると医師のメモ帳が飛び出して来ます。ここに記載があると⑥が ●になります。

⑧指示, 処方が完了したら, “完了まで”ボタンを押します。これで, このデータは B Fileの下段のFieldに転送され, 読み込まれて, B(D)のデータとして自動入力されます。”転送まで”ボタンでは, N のデータはBの下段に転送されて終わりです。処方の書き換え, などには有用です。

⑨一人で使用していて, データの競合が起こって, “このレコードは別のウインドウで変更中のため, このウインドウでは変更できません” とか, 多人数で使用中の場合の競, 特定のFieldの書き込みが競合したときは, “回避”ボタンを押します。これは, いくつかの競合しやすいFileの現在のactive レコードを無理矢理変更する Loop scriptです。黄色の”復帰”ボタンで, そのFileだけ前のactive レコードに戻ります。これで, 競合は回避されます。

⑩ 右上のポータルには当日受診している人のリストが表示されます。診療が終了して, B Fileで”確定”ボタンが押されると, 受診者番号の左ヨコの○が●になります。その受診者番号をクリックすると, その受診者の当日のレコードが開かれます。

⑪ 上段の小ポータルには当の受診者と登録された電話場号(下4ケタ)を同じくする受診者のリストが表示されます。同居している人のリストになります。その受診者番号をクリックすると, その人のカルテデータが表示されます。家人のことが話題になったときに, それをすばやく確認することができます。携帯電話は個人ごとに番号が違うので, このシステムの便利さが薄れてきました。

⑫ 左端ポータルのデータは一番古いデータから表示されます。受診回数が多いときは, それによって, これまでの経過をすばやく理解するのに役立ちます。

⑬ この受診者の前歴(Aに記載された紙カルテの要約, etc)をレコード作成時にLookupします。

⑭ Aのこの受診者のメモがrelationによって表示されています。

“最近24回”ボタンを押すと直近24回分のデータが総覧できます。ただし ハイビジョンモニター(2000x1000)より小さいモニタでは はみ出ると思います。

⑰ 1日画面に移動します.

診療録の記載のしかた


医師の指示は, ルールに従って記載します。そうすることによってB Fileに正確に指示を伝送することができます。これもボタンを配置していますの, それで入力の手間は省けます。さらに, 日本語入力にATOK等の入力支援ソフトを使えば, 指示語を辞書登録しておいて,入力を簡便にすることができます。ただし複数の辞書を作成できるものがお勧めです。

1. 初診再診は

*◆/初診/時間内/....と頭に*◆/”をつけます。さらに”/”で時間外, 時間内の記載を入れます。

*◆/再診/時間内/

*外来管理加算/....も同じですが, ボタン入力では *外来管理加算も入力されます。初診再診以外は” ◆”をつけません。”*”をつけます。これが1件の指示の開始の合図です。2つを改行で区切る必要はありませんが, そのほうが見やすい,と思います。

処置,検査は

ボタンで *検査セ//...のように入力して, その”//”の間に意中の語を入力します。大部分はATOKの辞書で入力することになります。


院外処方

*単処方/FMX=フロモックス[100]/3/7/3/...のように入力します。薬剤には自院で決めた略号(ID)=をつけます。そのあとの/3/7/3/は 3錠/日, 3分服を意味します。これらをB fileで読み取ります。3種類の薬剤を同じ方法で内服させるときは, 以下のように記載します。1,2行目は方法部分に”d”と記載します。これでパスします。

最後に 方法を記載すれば, まとめて内服する処方箋記載になります。

*単処方/APL=アプレ-ス錠[100]/3/7/d/

*単処方/FMX=フロモックス[100]/7/3/d/

*単処方/GTR=グリチロン錠/3/7/2/

院内処方

処方欄の1行目に “*◆院内/”と表示させれば, 以下の記載はすべて院内処方として扱われます。

*単処方/FMX=フロモックス[100]/7/3/d/

*単処方/GTR=グリチロン錠/3/7/2/

指示が完成したら, 上段の白い”完了まで”のボタンを押します。すると, Bに指示が伝達されて, B fileの画面が出ます。そこで, B Fileの”確認”ボタンをおせば, 完了します。病歴は記載が無くても診療の計算はできます。


病歴

⇒A::IKY=胃潰瘍//

⇒A::SSN=湿疹/上肢・顔面/

⇒A::THO=2帯状疱疹/胸部/

⇒A::AHS=足白癬/両足/疑/中止/

という表現で, 記載します, Fieldのどの場所に記載してもかまいません。病名の次の//には部位, その次は”疑”を入力します。 病名入力画面に移動して 赤い”病”のボタンを押すと病名File(E)に病名がレコードとして入力されます。

病名を入力するときに, “病名check”が自動で行われます。それは, その病名で, 当日の診療がすべて整合的にカバーできるか(保険審査で)というcheckです, 院外処方の薬剤も その対象になります。診療が終わるたびに, 受診者1件ずつCheckします。毎日カルテを外部に出力するとすれば, その前に修正をする必要がありますから, 月の終わりにまとめて行うことは不都合です。それに, 診察の記憶が新しい, その日のうちにcheckすべきです。いわゆる, “レセプトcheck”とは違います。あえていえば, 日々のカルテcheckです。


診療を伴わない診療録記載

TELで問い合わせがあったり, 検査結果が後日判明したときのコメント記載などは, 上の小さい[追]ボタンを押すと, N FileとB Fileに新規関連レコードが作成されますが, B Fileのレコードはレセプトに計算されません。