話題 17  漢方 生薬一覧ソフト

漢方の生薬学習ソフトを作ってみました。

漢方薬の名前(方剤名)は芍薬甘草湯のように生薬をそのまま名前にしたものは理解しやすいですが,乙字湯,八味地黄丸,小青竜湯など方剤名からはどういう生薬で構成されているかわかりません。そこで各エキス方剤の構成生薬一覧ソフトをFilemakerで作ってみました。力しごとでした。特定の方剤に注目すれば,それと生薬が類似する方剤を表示するというソフトです。ある方剤がほかのどういう方剤と似ているかを知ることは,その方剤の特徴を知るうえで有効ではないかと考えます。実際に使ってみると,「へ〜,これと似てるんだ」と感じることも多く,その方剤の”立ち位置”を知る上で,有益な気がします。

ツムラ社のエキス製剤データをもとに作成しました。

方剤1日量の構成生薬量の数値を2けたで表示するために1.5g, 5gなどのを10倍した値(15,50)で表示しています。ところがセッコウなどはもともと使用量が多く,白虎加人参湯では15gなので,10倍すると150で,2けたにおさまらないので,赤色(15)で表示しています。


Sample1


一覧画面

ツムラ社の生薬一覧データをもとに作成しました。すべての生薬を使用頻度順に表示しています。



個別画面

類似性検索は個別画面で行います。





Sample2


すべての生薬を表示するとモニターいっぱいに横長になって,見ずらいです。 生薬総数115のうち使用頻度3以下が半数以上,62品目ありますので使用頻度3以下の生薬を”その他”として表示すると,かなりの画面の”節約”になります。これで一覧表示が楽になって,操作速度もややUpした気がします。


記事画面を作成しました。前もって,メモ,記事を作成しておけば,その中から特定の方剤の記事を検索できます。


修正

生薬の入力は注意深く行ったつもりですが, どこかで誤入力しているかもしれません。もし発見されましたあかつきには,Mailでご連絡いただけるとありがたいですが,とりあえず,ご自分で修正することも可能です。グラム数は間違っていても類似検索には影響ありませんが,生薬そのものが抜け落ちていると類似検索が不正確になります。sample1, sample2とも同じです。



Filemaker Go

このソフトをiPadのFilemakerGo(ver13/14)で動かすことができます。Filemaker Go自体は無料でistallできますし,このソフトの変更の必要もありません。このソフトをv12に変換したあとで(下記記述), FilemakerGoにとりこみます。ただ,動かしてみると,2けたのはずのグラム数が1けたしか表示されません。(PCの機能を100%実行できるわけではない,ということでしょうか?)



v12以降のFilemakerでこのソフトを動かすときは,このShoyaku.fp7をFilemaker.fmp12で開こうとすると,変換する旨のmessageが表示されますので,指示に従って変換すれば,動かすことができます。


追伸

sampleソフトに誤りがありましたので訂正しました。

1. 黄芩の”芩”, 川芎の”芎”, 薏苡仁の”薏”, 清心蓮子飲の”蓮”, が抜け落ちていましたので, 修正追加しました。ただし, これらの漢字の一部はJIS第1,2以外の文字なので,OSによっては表示されないかもしれません。

2.  sample2で121三物黄芩湯の”クジン30”が抜けていました。sample1ではOKです。

  1. 3.36木防已湯のよみ が”もうぼうい”になっていました。”もくぼうい”です。

  2. 4.3乙字湯で, トウキ60, サイコ50, ショウマ10 のデータが抜けていました。これで, 前述3つの生薬の使用頻度が変わってきましたが, 訂正していません, あしからず。